私は吹奏楽ときどきオーケストラの中の人なのですが、本当に本当にテレビや映画やゲーム関係の会社は原曲編成のフルスコアを公式販売して下さい。特殊編成上等、今のアマ音楽界隈は間口が広い!
— クロハラ (@d_kurohara) 2016年4月28日
劇中音楽って素晴らしい曲多いのに生演奏が出来ない聴けないのは勿体なさすぎる。
先日ツイッターでこんなツイートが回ってきました。
それを受けて私も呟いたのですが、今日はその呟きを交えて補足しつつ、ゲーム音楽と楽譜についてちょっと書こうと思います。
(手近なところにあった楽譜たち)
譜面があると文化が残る
これ大事なことだと思う。こないだの配信で話してからいろいろ考えてたんだけど、今の時代楽譜がないと生演奏って文化は残っていきづらいから、ゲーム音楽を後世に残すためには「原曲の楽譜出版」が必要な気がしてた。>RT
— ぶっとびは5/11に配信する (@buttobimusic) 2016年5月5日
何事も「やってみたい!」って思ってから実際出来るまでの工程が少ない方が広まりやすい。手軽さって大事。そういう意味ではゲーム音楽は「弾いてみたい!」と思ってもほとんどが耳コピから始まる。ここで楽譜が出版されてれば耳コピっていう工程がまるっとなくなる。それだけでもかなり敷居は下がる。
— ぶっとびは5/11に配信する (@buttobimusic) 2016年5月5日
以前「楽譜について思うこと」で全般について書きましたが、今の日本では基本、譜面ありき。一般的には譜面のある曲が演奏されてますよね。
楽譜がなくても自分で耳コピして弾いてる人もいますが、そういうことができる人ばかりではありません。
そもそも耳コピが出来る人は既にある程度音楽に精通してる人だと思います。音を拾ってドレミに当てはめるには技術が必要です。音大でも「ソルフェージュ」という中の「聴音」という分野にあたり、必修で勉強します。
そして現代ではクラシック音楽から楽器を学ぶことが多いですね。
例えばピアノだったらバイエルっていう楽譜を使って「エリーゼのために」とか弾いて練習して、ピアノ演奏の技術を身につける。
そういう人がほとんどなので「耳コピはできないけど楽譜があれば弾ける」という人が大半だと思われます。
実際私のツイートをRTしてくれた人の中にそういう方がわりといらっしゃいました。
まぁ耳コピから楽器を学ぶ文化もあるし(ロックとか民族楽器とかはその傾向が顕著な気がする)一概に全部そうとは言えないけども。
でも譜面があるとないとでは、ある方がいいに決まってます。
なかったら耳コピできる人しか弾けないけど、あれば楽譜読める人も弾ける!
それだけで演奏可能人口が大きく拡大します。
演奏人口が拡大すれば聞く機会も増え、結果的にゲーム音楽を耳にする頻度が上がる。
こういうことで文化が残っていきやすくなると思うんです。
多くの人にたくさん触れてもらうこと、大事ですよね。
ピアノ譜しかないし絶版するし
ピアノ譜はたまにあるけど原曲そのままの譜面てめったにない。いろんな編成で演奏する可能性を考えるとやっぱり原曲の譜面は欲しいけど、一般的に広まってる楽器はピアノなわけだからピアノ譜ででもいいからいろんなゲーム音楽を楽譜に残してほしいよね。
— ぶっとびは5/11に配信する (@buttobimusic) 2016年5月5日
でもゲーム音楽の楽譜、売れないんだろうなぁ…耳コピ→アレンジ→清書、の流れがあるから人件費は削れないだろうし、手間がかかるわりに売れないからなかなか出ないんだろうなぁ…すぐ絶版するのがそれを物語ってる気がするよ…
— ぶっとびは5/11に配信する (@buttobimusic) 2016年5月5日
私は好きなゲーム音楽なら市販されてる楽譜は大体持ってます。
同じ曲でも譜面によってアレンジが違うので重複してるものも多数。クロノトリガーなんか4冊もある。
そんな楽譜はほとんどすべてがピアノ譜です。そしてもう既に絶版してるものも。
絶版といえば、ゼノギアスは絶版したあとで普通に店頭に並んでるの見つけて速ゲットしたんですけど、悔しいかな聖剣LOMの譜面は持ってないんですよね…くそぅ。
でもゲーム音楽はもちろんピアノ曲ばかりではありません。
なのでどなたかがピアノアレンジして譜面にしてるってことですよね。
その分手間がかかる。
手間がかかるわりに売れない→絶版になる この流れができあがってる気がします…。
以前光田康典さんがゼノサーガのオケスコアを出してくださいましたが、これ本当に珍しいですよね。
こういう感じで原曲のフルスコアを出版してくれればいいのにねぇ…いや難しいんだろうけどさ…権利の問題とかあるんだろうけどさ…。
一ゲーム音楽ファンとして原曲のスコアを見たいって気持ちもあるし、やっぱり演奏するにあたって原曲の内容がすべてつまびらかにされてるといろいろな手間が省けてとってもいいんだけどなぁ。作曲の勉強にもなるしなぁ。
あとがき
あと前どなたかの呟きで見たけど、クラシックの楽譜は楽器練習=技術習得に役立つけどゲーム音楽は主に楽しみのための楽譜になるもんね。そこも大きな差だろうな。
— ぶっとびは5/11に配信する (@buttobimusic) 2016年5月5日
て考えると、いち早く自分の曲をオケフルスコアで残したすぎやまこういち先生はやはりさすがですね…先見の明…!
— ぶっとびは5/11に配信する (@buttobimusic) 2016年5月5日
あとちょっと前にゲーム音楽の権利関係の企業が立ち上がったよね。坂本英城さんが関わってらした気が…。楽譜出版も権利関係大変だろうし、まだ黎明期なんだろうな。これからに期待。
この話はゲーム音楽に限ったことじゃないと思います。
商業音楽と呼ばれる音楽ジャンルにおいて、楽譜を世に出すということはすごく重要なことなのではないでしょうか。