主題歌コンピのマスタリングを振り返る

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お久しぶりですぶっとびです!
相変わらず元気でやっとります。ハッピー引きこもり!

さて4月は作業日20日ほどで22曲仕上げなきゃいけないという怒涛のマスタリング期間でした。

せっかくなので記憶が新しいうちに、今回やらせていただいた「主題歌コンピ」のマスタリングについて振り返っとこうと思います。

自分の記録も兼ねてるので長文です〜よしなに〜

 

 

主題歌コンピとは

まずは「主題歌コンピ」のご紹介から!

正式名称は「主題歌コンピレーション」。
152Hzの8さん主催で2021春M3に頒布された作品です。

ドラマ、映画、アニメ、ゲーム……世の中には様々な作品には、その作品を象徴する「主題歌」があります。
そんな「主題歌」をイメージした楽曲をあつめた、コンピレーション作品を制作いたします。

全22曲もの多彩な主題歌が集まってるコンピレーションアルバムになってます。

こちらのマスタリングをぶっとびがやらせていただきました!

 

準備の話

ご依頼自体は2月頃にいただいてました。
8さんには以前ご依頼いただいたことがあり、それがとても楽しいお仕事だったので今回も二つ返事で快諾!
またご一緒できることがとっても嬉しかったです。

とはいえぶっとびはこれまで最大9曲のマスタリングしかしたことなかったので、正直作業日20日で22曲が可能かどうかまったくの未知数でした。

普通に考えて1日1曲じゃ間に合わないもんな〜…
しかも曲そのものだけじゃなくて22曲分の曲間も調整するんだよな〜…
……
…………
……………………

でもまぁ私は私を信じてるので「なんとかなるやろ〜(つーかする)」という気持ちでいました。

作業開始までは普通にのんびり過ごしつつ、以前見たプラグインの解説動画をもっかい見て復習したり、PCを整理してストレージを空けたり、いろいろアプデを確認したり。

そして4月4日!いざ!作業開始!

まずいただいたデータを確認して仕様と違ったものはご連絡。
取りかかれそうなものからサクサク進めていきました。

 

エラー防止にプロジェクトを分けたんですよ

私はマスタリングにProToolsを使ってるんですけど、PCとDAWが古いからかいつも絶対作業後半に「CPUパワーを使いきりました」とエラーが出て再生が止まるんですよ…。
使ってるプラグインが多いのも原因の一つなので減らすと改善されるんですけど、それじゃ意味ないじゃないですか。

実は今回エラー防止目的で「Ozone9で全部完結させようチャレンジ!」をしてみたのですが、まぁ結局全然無理だったんよね〜〜〜〜〜〜
作業1曲目にして早々に諦めました。

なので今回は、22曲すべてを一つのプロジェクトでやるのは諦め、3曲ずつくらいでプロジェクトを分けて作業することに。

まぁ最終的には結局どのプロジェクトでもエラー出ましたが!!!!!!!!
作業終盤だったからいい判断だったのかなと。

そうやってすべての曲を調え音圧を合わせたらバウンスして。
そのバウンスデータを新しいプロジェクトにインポート。
ここで曲間を決めて、各曲最終バウンス。

…って流れでした。

 

ちなみに今回音圧見本を8さんからいただいていたので、どのプロジェクトにもそれをインポートして、聞いた感じのボリュームをそのデータと合わせることで全22曲の音圧をコントロールしてました。
この方法は大正解でしたね〜!!
全曲バウンスして曲順で聞いてみて、音圧を直した曲はほとんどなかったです。

 

質感の違う22曲たち

いやしかし22曲も集まると、本当にみんな全然音の感じが違って、まずそれがとてもおもしろかったですね。
三者三様。質感が違う。

質感が違うというのは「全体のまとまり」という点ではネックかもしれませんが、ともあれそこはあまり意識せず、どの曲もその曲に感じた自分の感覚を信じて処理をして、最後聞いてまとまってなかったらなんとかしようと思ってました。
そしたらまぁ意外となんとかなるものですね!
「ぶっとびの感性」というエッセンスにより勝手にまとまってくれた感がありました。よかった。

またミックスがめちゃめちゃ上手な曲もあって、どうやってるのかすごく気になったりもしました。
そういう曲はやっぱりマスタリングもスイスイ進む。あんまなんにもしなくても音圧上がる。すごい。ありがたい。見習いたい。

 

意識したことと具体的なテクニック

ボーカルについて

今回は主題歌ということで、「ボーカルさんの声が気持ちよく聞こえるように」っていうのは常に意識してました。

「気持ちよく」というのがミソ。
ボリュームが大きすぎても違うと思うので、そこはプラグイン使ってボーカル下げたり。

MS処理のEQを多用しましたね。
マスタリングなのでもちろん他の楽器にもかかるんですけど、そのあたりは違和感のない範囲でがんばって。
ちょっと変かなと思ったら掛かる周波数帯域変えるとか。2dB上げて変だったら1dBはそこ、別のところでもう1dB上げてみるとか。

よくやったのは、抜けを良くするためにMidの中〜高域をちょっと上げるとか。芯をもたせたいときは低〜中域を上げるとか。

ダイナミックEQもよく使いました。「ここだけどうも大げさに響く」ってところを一瞬下げてもらったり。
ディエッサーもごく少数の曲に掛けたりしてます。

その人の声が魅力的に聞こえるように処理したいので声によって違うけど、大体そんな感じですね。

 

曲を解釈し、適したラッピングを

あといつものことですが、「その曲を解釈して、その曲に合う音に」というのも意識しました。

私のやり方で音圧上げるとどうにも硬い印象になるので(ところで硬くなるのってみんなそうなの?私のやり方が悪いの?ずっと気になってる)、曲によってはテープシミュであたたかみをプラスしたり。

「この曲はもっとドンドンいった方がいいのでは」と思ったらバスドラ探してそこをEQで持ち上げたりしました。
「艶のある感じにしたい」ときはエキサイター入れたり。

逆に「すごい低音めっちゃ聞こえるんだけど全体のバランス的にそんなに大きいとちょっと…」ってときは、EQやコンプで抑えつつも「低音を聞かせたいんだな」って意識は忘れずにできるだけ活かせるように整えたり。

もちろん自分の感性を信じて処理をしてるわけだけど、作曲者の意図はできるだけ汲み取りたいんですよ。
だから私は、自分のやるマスタリングに関しては「曲を解釈する」っていう表現が今のところ一番しっくりきてて、大事にしたいなと思ってます。
(たぶんプロはみんな普通にやってることだと思うけど、書いときたいんだよ)

 

オートメーションも書きました

曲によっては様々なオートメーション書いたりもしてます。
主にボリューム、ものによってはプラグインのgain。

オートメーションはできれば手を出したくなかった(手を出すとまた無限にやりたい作業が増えるから)のですが、どうにも気になってついやっちゃうやつでした…えへへ…。
最低限!最低限気になったとこだけ!ね!

楽曲の途中で「ここだけ……!!!」って時にオートメーション書いて上手くいったときの自分とのハイタッチ感ね……マジ最高の仕事してるぜ私…… 

 

音関係以外で意識・実感したこと

意図的に作業しない時間を作る

今回「作業は晩ご飯まで」と決めてやってました。

夜は作業データを開かず聞かず、連絡もできるだけそれまでに済ませ。
なるべく別のことして頭も気持ちもリセットさせようという試みでした。
ストレッチしたりゲームしたりね。

これも結果的に良かったと思います。
次の日新鮮な耳で聞けるから、作業効率もよかった気がする。

時間をかければかけただけいいものになるわけではないので、ダラダラ作業するとかそういうのをできるだけ省けた気がします。
そのおかげなのか、ちょっと上手くいかなかったときでもパニックになったりイライラしたりせず、客観的な冷静さを常に保ってられました。あるいはちょっとなってもすぐ戻ってこれた。

客観的な冷静さを保ってられたの、すごくよかったよね。いつもこうありたいものです。
「自分で自分を追い込まない」ことがとっても大事ですね。

 

メモの大切さ

あと曲数が多いのでちゃんとメモを取ることと共有事項の大切さを実感しましたね〜。

私いつもノートにピークの場所とか「こうしたい」「次はこれやる」「ここ気になる」とかメモるようにしてるんですけど、これ作業に集中してると忘れがちで。
でも今回結構メモるの心がけてたら、まーこれに助けられました。

もうね、22曲であっちやってこっちやってしてるとね、どれで何やりたかったかごっちゃになるのよ。そりゃそうよね。

あと主催の8さんが作ってらしたスプシの組み合わせ表をプリントアウトして、それに進捗をメモったり。
8さんが私との共有事項をまとめてくれてたのも非常に助かりました。

曲数が多いからこそ、メモや確認事項、連絡が大事だなと深く実感しました。
もともとそういうの苦手じゃないからよかったです。

 

ところでこういうの書くのって怖いんだが

ちょっと本題から逸れるので余談ですが……

こういうテクニック的な話とか自分が何やったかって書くの結構緊張するんだよね…。

そもそも自分の音が支持されてなかったら???とか思うともう書けないじゃないですか……そんな低クオリティのメイキングなんていらんわってなっちゃうかもしれないわけで……

でも今回、8さんをはじめ参加者の皆さんからもお褒めの言葉をいただけて、ぶっとびはとっても嬉しかったんですよ。
そりゃあもう、本当にとっても嬉しかったんです。

だって自分ではいいもの作ってるつもりだけどさぁ!
実は私の耳が腐ってて客観的に聴けてないから世界中で私だけがこの音を良いと思ってる可能性だって、あるかもしんないわけじゃん?!?!?!??!

あとマスタリング作業中って孤独なんですよ。一人で制作する人はみんなそうだけど。
良し悪しの判断を自分一人でくだし続けるのって、ふとしたときに不安になったりするんですよね。

だからどこかのタイミングで一瞬疑心暗鬼になっちゃうんだけど、でも結局自分を信じるしかないわけで。
そしてそういう経験も積んでくると「これは一時的に疑心暗鬼になってるだけで結局自分の感じたことが正しいって流れだな」って経験則的にわかってくるわけです。おもしろいね。

 

テクニックを書くのが怖いならじゃあなんで今回書いてるかっていうと、怖いことこそやってこう選手権だからです。
怖いことはやってみないと本当に怖いか気のせいかがわからないわけで。
そんで大抵の場合気のせいなんですよ。これも経験則でもうわかってるのよ。

というわけで、ほぼ初めて具体的なテクニック的なことも書いてみましたよっていう余談でした。

 

聞きたいよね?ではこちらから!

こんな感じでマスタリングした主題歌コンピは、152HzさんのBOOTHでお買い求めいただけます!

驚きの800円です。驚きです。倍の金額でも安いのでは。

あとクロスフェードをぶっとびのマスタリングデモとして公開してるので、ご依頼ページでマスタリング前後の聴き比べができちゃったりします。

 

いやしかしね。さっきあんなこと書いたけど、ぶっとびは今回だいぶ良い仕事したと思ってますよ!!!!!!!!

たまに聞いてるんだけど「いやぁ〜〜〜私自分の音好きだな〜〜〜〜!!!」 ってなってるもんね。
そもそも聞きやすいし、曲ごとに特色あるのにアルバム単位ではまとまってて、いやほんま良い仕事した……………………………………GJ私………………………………………………
是非。

 

おわりに 

本当に貴重な経験をさせていただきました。
もちろん大変だったんだけど、でもやっぱり楽しかった!今回もとっても楽しかった!

今回の経験でスキルアップも感じたし、自信もついてきました。
だからこういう記事書けるっていうのはあるね。

あとなんか皆さんの影響でもうちょっと積極的に音楽活動したくなってきました。
やりたい音楽活動が多すぎて何をどうやるか全然未知数ですが、そのときの自分に正直に、やりたいことをやってこうと思います。

 

あ、そうそう曲ごとにどういう処理をしたか軽く触れようかなーとも思ったんだけど、そういうのって公の場で書いていいのか?って気もしてるので(ダメな理由も特にないんだけど、なんか抵抗ある)、作曲・ミックスの方からのご要望があればあるいは〜、って感じにしとこうと思います。

 

そしてぶっとびはミックス・マスタリングのご依頼いつでもウェルカムなので!
みなさん格安なうちに是非〜〜!!ご依頼お待ちしてます〜〜〜〜!!

 

結構な長文、読んでいただきありがとうございました!

楽しかった〜〜〜〜〜〜!!!