これは誰に宛てるわけでもない、吐露です。
私は自分の職業をサウンドクリエイターだと言ってる。
実際作曲したりミックスしたりしてお金をいただいてるのでそれ自体嘘ではないんだけど、仕事量は少ないし駆け出しも駆け出しもいいとこなので、時々、結構がんばらないと「サウンドクリエイターです」って言えないときがある。
曲を作るということは、いつでも自信があって、自信がない。
自分の作った曲は好きだし、メロディがしっかりあるところは強みだと思ってるし、曲として崩壊してないし、好きだと言ってくれる人もいるし、といろいろ自信のある面もあるけど、
それとは別の次元で自分の作ったものに全然自信がないのも事実。普段はそういう面を見ないようにしてるだけで、いつまで経ってもこの自信のなさは消えない。
そういうことは言ってはいけない、とすら思ってる。ただでさえお仕事少ないのに、こんな自分から「私は作曲家としていいものを書けるとは思えない」なんて言ったら、きっともっと少なくなっちゃう。もし私がお願いする側だったらそんな人には頼みたくない。だから「自信がない」なんて、公の場で言っちゃいけない。
今でもそう思ってる。時々それが私を苦しめてるのも知ってる。
自信があるのとないのはいつだって表裏一体で、ちょっとしたことですぐ裏返ったりするものだ。
だから私はアマチュアの作った曲は基本聞けない。聞きたくない。
だって自分よりすごかったら私の自信はすぐ「ない」の方を向く。
逆に自分の方がすごいな・上だなと思えて自信が「ある」方に向いても、今度はそんなことを思ってしまう自分に自己嫌悪することになる。
どっちに転んでもあんまりいいことはない。
別に自己嫌悪しなくていいのにね。そう思っちゃうのはしょうがないのにね。
だから本当は、他人の曲を聞いたときに自分と比べないようになりたい。自分の作曲力とか関係なく、絶対評価でその曲と向き合いたい。
でもまぁこれは、自分がその分野の作り手である以上、無理かなぁ。
曲を作るのは面白いし楽しい。
でもそれと同じくらいしんどいし怖い。
「おもしろたのしい」と「しんどこわい」の天秤がいつでもゆらゆらしてる感じがする。
ていうかたぶん、基本「おもしろたのしい」が勝ってるんだけど、ちょっとでも「しんどこわい」が顔を出すと、そっちにすごく引っ張られてっちゃうんだと思う。
自分の理想に近づける工程って、楽しいけどしんどいよね。
自分がいいもの作れなかったら怖いよね。
これを少しでも意識しちゃうとなかなか作る気になれなかったり、作っててもすぐ行き詰まったりするよね。
それにたぶん私は、基本的に焦ってる。自分が音大出てることとかわりともういい年齢なこととか、そういうのが私を焦らせてる。
作曲科じゃなかったにしろ音大出てるんだからちゃんとした曲書けなきゃ、とか。
作曲始めたのが遅かったんだからその分頑張って追いつかなきゃ、とか。
そんな思いを抱えたままずっと曲作ってる。だから「気軽に」作曲するのができなくて、着手するのも遅くなっちゃうんだと思う。
2014年?に自分なりにわりとちゃんとしたオリジナル曲っていうのを作って、それから3年経ったけど、完成させた曲数で言ったらきっとかなり少ない。それを数えるのも言うのもなんか怖い。
でもさっき、昔の自分の曲をアレコレちらっと聞いてみたけど、なんだ、結構いいじゃんと思ったものがたくさんあって。逆になんじゃこりゃアカンわってのもあったけど。
もちろん拙いししょぼいけど、そのときの私のやりたかったこととかコンセプトとかこだわりとか、そういうのがわりとどの曲にもあって。思ったより悪くないなと思えて。
そういう視点で自分の曲が聞けてるのって、きっと客観視できてるってことだと思うんだけど、「客観視してる自分」っていうのがまたちょっと嬉しかったりもして。
私自分では和音に弱いと思ってるんだけど、でも昔の曲聞いてコード進行に違和感を覚えたところもあって。それってつまり感覚的におかしなところがわかってるってことだと思うんだけど、あれ、じゃあその面も知らず知らずのうちに成長してるじゃんとか思えて。
この3年で、かなり上手くなった。と思う。
一番最近の自分の曲なんて特に、ちゃんとプロっぽいしカッコイイよ。
最終的に強く思ったのは 、もっと作曲が上手くなりたいなってことだった。
もっといい曲書けるようになりたい。いろんな曲書けるようになりたい。
結局そう思うってことは、私は作曲が好きで、おもしろくて楽しいんだ。
だからきっと、またしんどくて怖くなるんだ。
あれもできないこれもできないって思ってるところもあるけど、でもあれもできるしこれもできるよねとも思える。
きっとこれからもこうやって、自信があっち向いたりこっち向いたりしながら、曲作ってくんだろうな。